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私のエクストリーム

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 毎週末のように、いや、“ように”ではなく毎週末、やれ合宿だ、やれ大会だ、やれ練習会だと、スポーツ少年少女も真っ青の体育会系な日々を送っている。イベントごとにブログを書いていたら、それこそ「中年体育記録ブログ」になってしまうので(もうなっているか…)割愛するが、(積極的には認めたくはないけれど)世に言う“ハマりこんでいる状態”とは、こういうことを差すのだろう。

 この週末、憧れていた大会に出場することができた。



霧島・えびの高原EXTREME TRAIL 2018

 新燃岳の噴火の影響で、昨年同様コース変更があり、ショート(34km)、ロング(64.5km)となった。私はショートにエントリーしたが、ちなみにロングは同コースを2周するというもの。ご近所を2周するだけでも勘弁なのに…走りきる体力はもちろん、精神力を要するタフなレースなのである。

 私はあまり汗をかかない(かけない)体質であるため、万全すぎるほどの熱中症対策で挑んだ。が、到着した前日、会場のえびの高原は台風の影響をうけ、笑っちゃうほどの暴風雨。野外で行われた前夜祭も横殴りの雨で“お祭り感”は一切なく、色とりどりのレインウエアを着込んだランナーたちがテント下で団子になり、「はじまる前から、エクストリームだよね…」などと苦笑いしながら、雨でシャビシャビになったご飯をかっこんだ。

 レース当日、午前3時起床。昨日の暴風雨が嘘のようにおさまる。かねがねというか、往々にしてというか、「楽しみの前には、ワンクッション(アクシデント)がある」のがお決まり。想定内、想定内…。むしろ、雨の方が気温が低いので、私としては好都合だ。
 
 午前5時、ロングのスタートを見送り、1時間後の午前6時、ショートも一斉スタート。いざ、未知の世界へ!「前半飛ばすと、後半もたないよ」との忠告を守り、はやる気持ちを抑えて落とし気味で入る。今回は「気分」ではなく(毎回、なんの根拠もなく気分だけは上々で、飛ばしてすぎて撃沈するパターン)、身体の状態がわかる「心拍数」を重視した(160bpm以下)。とはいえ、なにをどうしてもきつい。上りもきついし、下りもきつい。練習を含め、これまで20km以上のトレイル経験がなく、24kmの第2エイドを過ぎたあたりで、「最後までもつのか…私」と不安…いや、恐怖がよぎった。

 頭から水をかぶり、化粧なんてもはや何ソレ? 雨に打たれ、泥沼にはまり、マメがつぶれ、経験したことのない極限状態が両手を広げて待っていた。やめたくても、ここは山の中。自分の足で進まないと終わらない。「この歳になって、一体何をやっているんだろう…」という自問自答とともに、一歩一歩足を進める。とにかくゴールするしかない。

  6時間50分00秒
  部門25位/55人中
  総合174位/244人中(男女)

 制限時間8時間以内になんとかゴール。ゴールが見えた瞬間、涙がポロポロこぼれてきた。いつもブス顔で走っているので、せめてゴールぐらいは得意の作り笑顔でいくぞと思っていたが、これまでにないほどグチャグチャな姿でゴールテープを切った。

 ここまで堪えられたのは、魂のラン友・マナのおかげだ。同じ歳、運動経験なし(文化系人生まっしぐら)、走力も似たようなもの、そして何より、気は強いが体は弱い(笑)という私たち。周囲では「マナカナ」と呼ばれ、にわかライバル対決として面白がられている。もちろん、私もマナには負けたくはないし、マナだって私には負けたくないだろう。でも、ここのところ、私は肉離れや熱中症で練習できず、マナも故障あけで、お互いMaxにはほど遠い状態…。「とにかく、完走を目指そう」。ライバルは競い合うだけじゃない。その苦しさを共有し、同じ目標を設定できる。一人より二人の方が、より頑張れるってなもんだ。
 
 20kmすぎたあたりから(おのずと)合流し、一緒に走りだす。後半戦、日本一の枕木階段を駆け上がり、最難関である栗野岳&えびの岳を越える。息はゼイハア、水も底をつき、足のマメもつぶれ、お互い「ごめんね」「ありがとう」と繰り返し言い合いながら進む。これぞ模範ともいえる「励まし合い」。この段階では、お互いの存在しか頼れるものはなかった。「もう、私たちの趣味はトレイルです!とか言わんどこう。オルレからやり直しや…」と、えびの岳の頂上で2人してへたり込み猛省した。

 ラスボス・えびの岳をやっとの思いで下り、最後は2人で手つなぎフィニッシュ。マナカナ見事復活!…というよりは、マナカナここから気持ち入れ変えて1から、いや0から頑張ります…ではあるが、私もマナも昨日までの自分を越えられたのは確かだ。世界はまだまだ広い。そして、その先につながっている。とにもかくにも、マナがいてくれたから、なんとか諦めずに済んだ。本当に、本当に、ありがとう。今のこの状態だからこそ、2人でゴールできて良かった。

***

 先日、最近、乳がんが発覚した方とやりとりする機会があった。その中で、「乳がんにかかってやめたこと、はじめたことはありますか」と質問を受けた。初発は不安だろうし模範的な回答が良いだろうかと思ったが、ここは正直に「かかってやめたこと…ないです。定期的な血液検査に準じつつ、お酒も飲むし、食べたいものを食べる。節制してストレスを感じるぐらいなら、私はしない方を選びたいです」と回答。あ、待てよ…。「発覚してはじめたことは、ひとつだけあります。マラソンです。この世で一番嫌いなことをクリアしたら、ボーナスポイント2倍になるかも…と。それは冗談だとしても、何かを克服できた達成感や充足感は大きかったかも。それから、まったく痩せはしませんが、極端に肥えもしません。発覚時、体温は35度台が普通、抗がん剤を投与していた頃など34度台でしたが、今では平均36度5分以上、ヘタすると37度など、体温が1度以上上がりました」。体温が上がるとがん細胞が繁殖しづらいともいうし、これはひとつの成果ではないだろうか。

 今回、ゴールテープを目指して走りながら思った。私の人生においてこんなに泣けるほどのことが、一体どれだけあるのだろうか…と。周りからは「やり過ぎている」などと怒られもするが、私はやっぱりやりたいのである。何かを乗り越える達成感、微々たるものだが肉体の進化、かけがえのない仲間との出会い、そこには「生きている実感」がある。「神様は、このことを私に教えたかったんだろうか…」そう思うと、さらに涙がこぼれてきた。生きていることを素晴らしいと思えるって、割かし幸福な方なんじゃないか、と。


2018年7月夏、私のエクストリーム(極限)、ここにあり。


応援してくれたみなさん、心からありがとう。



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